【取締役の交通事故】会社役員が人身事故にあった場合の休業損害

取締役会社役員休業損害

法律事務所みちしるべのスタッフ です。
以前、人身事故で賠償される損害についてご紹介しましたが、そのなかのひとつ休業損害について。

事故によって仕事を休んだために得られなかった収入を補償する「休業損害」(休業補償)という項目があります。

https://michi-law.jp/koutsu/#kyuuson

今回は、休業損害のなかでも取締役などの会社役員の方の休業損害についてご紹介します。
参考:赤い本 「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」
参考:裁判所判例

会社役員の休業損害のポイントは、役員報酬が労働の対価なのかどうか

専門的な解説は弁護士にお任せしますが、サラリーマンの方の休業損害は、お給料の金額をもとに計算をします。

会社の社長さんや役員さんの場合は、給与ではなく役員報酬を受け取っています。
この役員報酬が給与と違うのは、役員報酬は、必ずしも労働の対価ではない。という点です。

休業損害は、働けないせいでもらえなかった金銭の賠償なので、働かなくても貰える報酬は、休業損害とは関係ないのです。

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  • 報酬が労働の対価と認められたら、休業損害計算の基礎になります。
  • 報酬が労働の対価ではないと認められたら、休業損害計算から無視されます。

過去の裁判例のなかで、役員報酬が労働の対価だと認めてもらえたものを調べてみましたので以下にご紹介します。

建物解体業等の会社の社長さんの交通事故の休業損害

  • 業種:建物解体工事・建材卸売業
  • 役職:代表取締役

休業損害300万円(役員報酬の3か月分)

この社長さんは、受注の見積もりなどの作業だけでなく、自ら現場でバリバリ肉体労働をしていたため、月額100万円の役員報酬の全額が、休業損害の計算の基礎になる労働対価だと認められました。

  • 裁判年月日:平成 6年 2月22日
  • 裁判所名:千葉地裁

会社の設立直前に交通事故にあった代表取締役(就任予定)の休業損害

  • 業種:不動産賃貸仲介
  • 役職:代表取締役(就任前)

役員報酬としてもらえるはずだった80万円全額が休業損害の基礎と認定された

不動産賃貸の仲介会社を設立して、代表取締役として役員報酬月80万円を得ることになっていた方が、会社設立の2週間前に交通事故に遭いました。

この方の場合は、もともと別の不動産会社で役員をしていて、年に1200万円から1400万円の収入があったことから、今回設立する会社の役員報酬の全額が、労働の対価だと認められました。

  • 裁判年月日:平成20年 6月24日
  • 裁判所名:神戸地裁

土木系の有限会社経営者が交通事故のケガで復帰できず廃業したケースの休業損害

  • 業種:土木(有限会社)
  • 役職:代表取締役

事故年度の役員報酬全額が算定の基礎になり、517万円の休業損害

交通事故で頚椎捻挫等のケガを負った土木会社の社長さんの休業損害。
69歳ではあったものの、事故に遭うまではとても元気に働いていました。
しかし事故に遭ったことをきっかけに、みるみる弱ってしまい、事故から7か月後に廃業しました。

社長さんと奥さんのほかに従業員は2名、必要に応じて臨時に人を雇っていましたが、夫婦二人とも現場作業を行っていました。
このため、社長さんの報酬の大部分が労働の対価と認められました。

  • 裁判年月日:平成17年 7月15日
  • 裁判所名:名古屋地裁
交通事故の示談金(賠償額)計算 示談金ってどうやって計算するの?人身事故で賠償される5つの損害

一人会社の社長さんの休業損害

  • 業種:印刷機器販売
  • 役職:代表取締役

役員報酬1080万円の全額が労働の対価だと認められた

この社長さんの会社は、親族が経理を手伝う以外は、社長さんが一人で経営・従事していました。
そのため、社長さんの役員報酬1080万円は全額労働の対価だと認められました。

ただし、事故で働けなくなったあとも報酬を受け取っていたという事情によって、最終的に認められた休業損害は1080万円を算定基礎にした金額よりも少ないものでした。

  • 裁判年月日:平成28年11月17日
  • 裁判所名:東京地裁

会社役員の休業損害は争いになりやすいポイントです

ご紹介した事例はすべて、示談交渉で話がまとまらず裁判で争われた事例です。
給与明細で算定がしやすいサラリーマンの方と違い、会社役員の休業損害はトラブルになりやすい部分です。

実際問題として、社長が交通事故で働けなくなったら、とても大変!という会社さんは多いです。

適正な補償を受けられるように、早めに弁護士に相談することを強くお勧めします。

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