自賠責保険とは？自動車損害賠償責任保険で補償される交通事故の損害

法律事務所みちしるべのスタッフです。
今回は、自賠責保険についてご紹介します。

自賠責保険とは

交通事故に遭って大ケガをしたのに、加害者にお金がなくて一円ももらえない！
ケガで働くこともできないのに、高額な医療費を自腹で払うなんてとても無理…！

そんな状況は、考えただけでも恐ろしいことですよね。
こういった悲劇が起こらないように、自賠責保険の仕組みがあります。

自賠責保険は、人身事故の被害者が、事故のケガや死亡について最低限の賠償を受けられるよう、加害者が負う損害賠償責任を補填する目的の保険です。

バイク・車には自賠責保険の加入義務があります！
加害者が自賠責にも加入していない場合や、ひき逃げ事故の場合は「政府保障事業」という救済制度があります。

自賠責保険で補償される損害は被害者のケガ・後遺障害・死亡に関するもの

自賠責の補償内容

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益は、後遺障害の等級認定がされた方に賠償されるものです。

以前の記事で人身事故で賠償される損害についてご紹介しましたが、項目の内容としてはほぼ同じです。

自賠責保険は最低限の補償を受けるための制度ですので、支払基準によって公平に支払われます。
任意保険のように、保険会社がギリギリまで低い金額で示談交渉してくるようなことはありません。

その反面、本当に最低限の補償であるため、弁護士が任意保険会社との交渉や訴訟で使う弁護士基準（裁判基準）よりも、はるかに低額な基準になっています。

【上限額】
これらの合計金額120万円
（被害者１名につき）

	自賠責の支払基準
文書料	必要かつ妥当な実費
休業損害	【原則】 1日6,100円
傷害慰謝料	1日4,300円 ※ケガの状態や治療した日数などによって計算が変わります。

各項目についての詳しい説明は、こちらの記事に掲載しています。

【原則】
後遺障害等級に応じた上限額

後遺障害に関する損害	自賠責の支払基準
後遺障害逸失利益	各等級と被害者の収入や年齢などに応じて算出する
後遺障害慰謝料	【原則】各等級に応じて支払われる

介護を要する後遺障害慰謝料	自賠責の支払限度額
１級	4,000万円
２級	3,000万円

【上限額】
合計金額3,000万円
（被害者１名につき）

死亡に関する損害	自賠責の支払基準
葬儀費	100万円
死亡逸失利益	被害者の収入や年齢、扶養家族の有無を考慮し算定する
被害者本人の死亡慰謝料	400万円
遺族の慰謝料	請求権者 1名：550万円 2名：650万円 3名以上：750万円被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円が加算される